最近買ったもの

『真・異種格闘対戦』3/相原コージ
ライチ☆光クラブ』/古屋兎丸
魔法使いサリー』/横山光輝


★★★★★

ゲド戦記』を観てきました。以下感想。ミクシからコピペ。

観た感想としては、「もうすげぇ、ありえねぇ、ひどい、ウザイ、クサイ、バカでアホでカスで糞なオナニー映画」とまでは言わないが、各所でなされている批判は概ね正しいと言わざるを得ない。

ゲド戦記』を格ゲーに例えると、『スペクトラルVSジェネレーション』である。
このゲームは、キャラクターが少ない上に魅力に欠け、システム面も過去の名作格ゲーで見られた物を多少取り入れただけでまるで目新しさが無く、演出もショボい、最初からコケる事を約束された様なゲームだった。
実際コケた。上の説明はほぼそのままこの映画にも言えることである。

俺は原作を読んでいないのだが、この映画が原作を徹底的に再現したわけでも、原作を踏み台にしつつ大胆なアレンジを施したわけでもないという事は容易に分かる。

とにかく致命的なのがキャラクターの魅力の無さ。
主人公の少年とスト2リュウは両者とも心の中に闇を抱え込んでいる。しかしリュウが強敵との戦いを通じて自らを成長させていくのに対して、主人公の少年は後半ヒロインが剣を持ってきてくれるまでウジウジし続ける。
ゲドのおっさんも登場時間の長さの割に活躍しない。最期の戦闘シーンなど傍観を決め込んでいる。一番活用出来るキャラクターを無駄使いしている。
ヒロイン。自分を助けてくれた少年が少しラリっただけで訳の分からない逆ギレをかまし、かと思うと少年の親殺しはスルー。ツンデレ喫茶の店員並の性格設定だ。
いかにも「ジブリ風の悪人考えました」といった印象のウサギは、悪い意味でムスカ・カーチス・カオナシなどと一線を画す。このキャラは小悪党ではなく、ただの小物。世俗的快楽を追い求め、言動も粗暴で、しばしば卑劣な戦法を使うアースクエイクやバーディーは、小悪党では有るけれども引けない場面では引かない一本筋が通った性格をしている。
クモとかいう魔女も酷い。自分を認めなかったヤツらを見返す、等と今時クッパでも言わないような幼稚な行動動機を披露し、劣勢になるとヒロインを抱えて逃げ出すというあきれたキャラ設定である。コイツが髪の毛一本にされても戦うくらいの意気込みを持つキャラならウサギの小物さも意味ある物になったかもしれないが、残念ながら魔法が使えるか否かという以外に両者に違いが無い。

この映画の駄目さは8割方キャラクター作りの甘さに尽きると思う。例え音楽やビジュアル面が今ひとつでも、キャラが魅力的ならここまでの低評価に甘んじる事は無かったはずである。
しかし、この映画がキャラクター以外の要素で並以上の水準を保てているかといえば、否である。

まず、声優の酷さ。なぜ普通の有名声優を使わないのか。菅原文太なんかを起用する金があるなら置鮎氏にゲドを演じさせた方がいいのは明らかである。
しかも恐ろしい事に、菅原文太は一番マシである。ヒロインの声優の下手さは普段アニメを観ない俺でも違和感を覚える程であった。コイツが歌っている所を主人公が目撃し、涙するというこれまた有り勝ちな場面があるが、茶番としか言い様が無い。正直イングリッドの歌の方が泣ける。
オタアニメ・オタゲーム界で活躍しているような声優など使えないというプライドでもあるのだろうか。分不相応以外の何者でもないが。地味で印象に残らない主題歌も、新居昭乃に作らせたんなら新居昭乃に歌わせればいいのに。

登場キャラがたま〜に見せるジブリっぽい表情は鬱陶しいだけ。CGの違和感バリバリ。フクロウの演出も意味不明。竜がヒロインなの?火傷と言うよりペイント。共食いは?王様死んだよ?誰が殺したんだっけ?

・・・少しだけ褒めておく。
末期クモの気持ち悪さはなかなか。『不安の種』に出てきてもおかしくない。
町並みの造詣は嫌いじゃない。俺は別にファンタジーが嫌いなわけではない。

宮崎悟郎さんにはがんばって欲しい。