JASRAC

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070125AT3Y2300525012007.html
JASRACやその他のメディアの著作権団体が音楽・絵画・漫画等の著作権の集中管理に乗り出すそうな。


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人権擁護法とか言う悪夢的な法律が以前話題になっていたが、今回の絶望はそんなものではない。
と言うか、エセ同和だとか朝鮮総聯の悪行だとかは、部落差別や韓国併合と言う歴史的事実を考えるとわずかばかりの情状酌量が出来なくも無い。しかしJASRACの実態は知れば知る程、腹が立つを通り越してもうどうしようもないと言う諦めに近い落胆を強いる物だった。
JASRACの横暴についてここで書くことはしない。Googleで「JASRAC」で検索をかければ、それこそ2chから坂本龍一さんのサイトまで、幾らでも見つかるからだ。


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ネットを始めたばかりの頃頻繁に見かけたMIDIサイトが何時の間にか姿を消し、後からJASRACの所業だと知った時に戦慄を感じたのが記憶に新しい。俺がアニソンにハマるようになったきっかけは、あの40分以上もあるアニメタル・マラソンのMIDIを聞いた事だったと思う。
とても素晴らしい出来のファイルで、何度も繰り返し聴いていた。その時はまだアニメタルを知らなかったが、ある日アニメタル・マラソンのCDを見付けて感激し、そのメドレーのオリジナルを個別に聴いてアニソンの素晴らしさを知ったのだ。


そんなMIDIを駆逐してしまったJASRAC式の暴威が、よりによって漫画に降りかかる可能性があると思うと(JASRACが噛んでいる以上、高確率だろう)、本当に悲しい。


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漫画がJASRAC式の著作権で拘束される事態になった場合、無くなるであろうもの。


・パロディという手法そのもの。過去の作品が免責されるのかどうかは分からないが、される場合は片手落ちであり、されない場合は久米田康治唐沢なをき夏目房之介等は作品の殆どを抹殺される事になるだろう。
コミケットに代表される2次創作イベント。今回の動きは、コミケから金を徴収したい、という事も動機になっているだろう。
・各作品のファンサイト、アサメのようなパロディ作品サイト、ふたばちゃんねるのようなお絵かきサイトは閉鎖。コボコラ・孤独のグルメコラのような遊びも禁じられるだろう。もちろんAAも禁止だ。山川純一のようなブームも二度と起こらない。
・模倣。模倣=パクリと断ぜられがちだが、多くの漫画家は他の漫画家の影響を受け、やがて作家性を確立させて行くものであり、その過程で作風が似てしまう現象は幾らでもある。これが利権団体の胸先三寸で潰されるわけだ。
・漫画家が自作を自サイトで公開すること。作品に著作権が設定されると、漫画家本人ですら自分の作品を自由に扱えなくなるだろう。


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続いて、漫画の著作権問題に関して、俺が規制されても仕方がないと思うものを挙げてみる。


海賊版。俺が今回の動きに対して腹が立つことの一つは、JASRAC的組織は、外国である事を理由に支那海賊版や韓国のパクリ商品に対しては何も言わないであろう事。ポーズだけ抗議はするかもしれないが。
Winny等における漫画の配布行為。これは規制されても仕方ないだろうが、少数刷られただけで絶版になり、正規の手段では読みたくても読めない作品をダウンロードする行為は一概に責められるべきではないと思う。絶版のまま著作権だけ設定された作品がゴロゴロ、という事態が予想される。


要するに、規制すべき場合が存在するにしても議論すべき問題が確実に存在すると言うことだ。


また、メッセンジャー等での個人間の交換や、2次創作作品は規制されるべきではない。
前者の場合は、TV番組を録画したビデオをお隣さんに貸す行為と本質的にどう違うのか曖昧である。
2次創作はあくまで2次であってオリジナルではない。同人で大人気を博したために、テニスの王子様が売れない等という話は聞いたことがない。規制団体は、2次創作の問題を「過激な性描写」「幼児のSEX」等と議論のすり替えを行うかもしれない。


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俺は、今回の件で日本の漫画が一気に潰されるとは思わない。戦前だろうが、江戸時代だろうが日本人は「名作」と呼ばれる作品を作り続けて来た。人間の個性が抑圧ごときに屈服しないという証明だろう。
しかし、漫画の1ジャンルが、1手法が、そして過去の名作が葬り去られるのが惜しい。漫画家への道が、本人の努力以外の所で狭められるのが惜しい。


勢いで書きなぐってしまった。真面目に勉強しておけば良かったと思うのはこういう時だ。問題点を簡潔にまとめたサイトさんは尊敬に値する。知らないでは済まされないと思うので著作権法について近いうち勉強しよう。